2009年4月30日木曜日

教育現場の惨状

結論だけを手短に書く。

小学校から高等学校までの学校でも、学習塾や中小予備校でも、教えている教員や講師自身のなかに、日常的に勉強をつづけていない者が多数いることがなによりも問題だ。受験勉強以外、いままでまともに勉強にとりくんだ経験をもたない人間が、児童・生徒の指導をしている場合も少なくない。教科書や参考書・問題集の編集者にも、これはあてはまる。

そういう不勉強な人間の指導でも、聞きかじりが幸いするなどして、適切な指導や助言がおこなわれることもある。けれども、それはたまたまなのであって、現状では、まちがった指導や助言が教育現場に横行している。

さらに悪いことに、そうした指導や助言がまちがっている、と判断できるのは、自分自身の勉強を続けている者だけである。しかも、そうした判断力をもった者は、大学院生や博士学位をもった院生あがりが掃いて捨てるほどいる大手予備校など一部の現場を除けば、教育現場では圧倒的な少数派だ。

聞きかじりをしゃべるだけならまだしも救いの余地がある。しかし、まともに勉強をしたことのない人間、現在も勉強をしていない人間が、自分自身の考えで、たとえば、「小論文は〈序論-本論-結論〉で書け」だのといった誤った指導をしている状況は、もはや救いようがない(さすがに、「英語は文法じゃなくて会話だ」といった愚にもつかないことを言う人間はいなくなったと思いたいが……やっぱり生息しているらしい)。

この現状に対する解決策や克服策は、いまのところない。こうした現状は、近代の教育が抱えざるを得ない宿痾なのかもしれない。

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