昨日、新宿へ出かけたときの出来事を一つ書いておく。
いつも使っているぺんてるのペン(ノック式エナージェルシルバー軸BL77-B)のリフィルを買おうと、世界堂の新宿西口店に入った。レジで若い女性の店員に「これのリフィルの赤を……」と言いながら鞄からペンを取りだしてみせると、彼女はそのペンを手にとることもせず、くるっと後ろを向いてリフィルを手にとり、「お一つでよろしいですか?」と目の前に置いてくれた。
正直、ひどく驚いた。生まれて初めての経験といってもよかった。いままでどの文房具店でも、リフィルを店員に頼んだときには、店員はペンを手にとって品番とにらめっこでリフィルを探し、場合によってはペンからリフィルをとりだして照合し、ようやく出してくれるのだった。ほかの店員や上司に訊いたりして、何分もかかって見つけ出すことも少なくなかった。同じ世界堂の新宿本店でもそうだし、ほかの文房具店でもそうだった。
それなのに、新宿西口点の彼女は、ペンの外見を一瞬見ただけで、正しいリフィルをすぐさま目の前に置いたのだ。色は赤だとこちらで言ったが、太さ(0.7mm)までは言っていなかったにもかかわらず、太さまでまちがいなかった。
彼女自身が、そのペンを愛用しているといった偶然がもしかするとあったのかもしれない。あるいは、たまたま数分前だとか数時間前だとかにそのペンのリフィルを買ったお客さんがいて、このリフィルで本当にいいのかなどといったやりとりをした直後だったのかもしれない。でも、もしそうなら、ペンを手にとって確認するくらいのことはするはずだ。
彼女を商品知識の豊富な従業員だと評価するだけでは、なにか足りないような気がする。まさか、テレパシーではあるまい。世界堂にとって、彼女は宝である。
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