2009.5.12 21:15
日本水連の上野広治競泳委員長は12日の委員長会議で、2012年ロンドン五輪で活躍するための心構えとして、日本代表選手にピアス装着や茶髪、女子選手の華美なネイルアートを禁止すると再指導したことを報告した。
古橋広之進名誉会長の発案で、シドニー、アテネ、北京の各五輪でも競泳代表の禁止事項だった。上野委員長は「世界で戦う選手になるために(派手な見た目は)必要ない。代表選手が多く入れ替わっているので、確認した」と説明した。
選手が髪の毛の色を何色にしようと、それは選手個人の領域における問題であって、国家はもちろんのこと、第三者が容喙し、ましてそれを「禁止」するなどといったことは決して許されることではない。ピアスもネイルアートも同様である。
もし茶髪やピアスやネイルアートが水泳競技や競技中の安全にとって問題であるならば、そのことを選手に勧告すればよい。それを、「世界で戦う選手になるために(派手な見た目は)必要ない」といった或る個人の手前勝手な価値観によって強制するのであれば、これは個人の自由と人権に対する侵害である。たとえ日本水連が国家機関でないとしてもである(日本水連に対してどれくらいの税金が使われているのか、これも関心事ではあるのだが今は調べている時間的余裕がない)。
この人権侵害を思いついたのは、古橋広之進名誉会長であるとのことである。つまり、日本水連は、古橋会長個人の価値観を全選手にむりやり強制しているのである。
古橋会長については、かつて千葉すず選手がオリンピック代表選考の問題でスポーツ仲裁裁判所(TAS / CAS)に訴えを起こしたとき、今回同様、とんでもない人権侵害的な暴言を吐いたことを記憶している。こうした個人の自由と人権をまったく理解できない人間を「名誉会長」に頂く団体が、どのような人権感覚の持ち主であるのかは、容易に推測できることだ。
国会は、日本水連の古橋広之進名誉会長と佐野和夫会長を証人として喚問し、日本水連による人権侵害行為を調査するべきである。
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